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'70年に地球が変わった
環境汚染が体を攻撃


立ち止まる人が他のブースよりも多い。
さすが丹羽先生の知名度。

  とにかく、ここ2、30年前から病気が非常に悪くなりましたね。がん、膠原病、アトピー、難病の治りが非常に悪いんです。それはどうしてかという話をしましょう。
  1970年、この年に地球が変わりました。

  アトピーの大人の全身の重症患者が出始めたのもこの年。昔日本になかった難病、奇病がどんどん出始めたのもこの年。地球の環境汚染がどんどんどんどんひどくなり汚染が飽和状態になったのもこの年。
  どんな環境汚染物質ががん膠原病アトピーに悪さをするのかと。そこで発見したのが活性酸素です。
  当時はこれを提唱していたのは世界中で私だけ。これはもともと人間の体にあるものです。カビやばい菌が入ってくるとそれを叩いてくれるもので非常に大事な酸素だった。ところが、活性酸素は、出来すぎると人間の体を攻撃するんです。1970年あたりから体内に環境汚染物質、化学物質が、入って活性酸素をどんどん作り出し、人間の体を攻撃し始めたんです。それに対して神様はちゃんと防衛機能を与えられていまして、人間の体のなかには、カビやばい菌が入ってくると活性酸素がそれ行けと出てきて、カビやばい菌を殺してくれる。活性酸素ができすぎて人間の体を攻撃し始めたら、神様は体のなかにSODとかカタラーゼ、ビタミン剤(C、E、A)などの酵素を与えられて、できすぎて人間の体を攻撃し始めた活性酸素を取り除いてくれていたんです。1970年までは。
  ところが1970年を機に、体の外でいろんな環境汚染が出てきて、どんどん毒性の活性酸素を作り出して、神様が与えられたものではおっつかなくなった。それでがん、膠原病、リウマチ、アトピーなどの難病がどんどん増え始めたんです。
  そこで、どんな環境汚染物質が活性酸素を生み出すかということを臨床血液学会で発表しました。
  ゴルフ場、みかん畑などに散布する農薬、除草剤、殺虫剤。これらをばら撒き、雨が降って土にしみこみ、川に流れ、その水を浄水場で太いポンプでくみ上げる。それをろ過して、殺菌して水道の水としてみなさん飲んでいる。ごく微量を、毎日、5年、10年飲み続けると、皆さんの肺や肝臓や腎臓の細胞のなかの核の遺伝子にたまって遺伝子を傷つけて発がんするんです。
  活性酸素を出して、がん、膠原病、リウマチ、アトピーを発症させる環境汚染物質のいちばんの元凶は窒素酸化物NOxです。これが活性酸素をどんどん出し、がん、膠原病、リウマチ、アトピーの原因になる。
  この窒素酸化物は何から出るかというと、鉱物油です。鉱物油を燃やした煙の中に大量の窒素酸化物が入っている。東京、川崎、大阪などは窒素酸化物の渦の中。自動車の排気ガス。とくに重油を炊いた、ディーゼル車。製鉄工場なんかもみんな重油を炊いている。石油化学コンビナートも重油。そうすると、自動車、ダンプカーの排気ガス、工場の煙突の煙、これらがどんどん窒素酸化物をだして、どんどん活性酸素を作って、がん、膠原病、リウマチ、アトピー、難病のいちばんの原因になっているということがわかってきた。
  そこで、私は30年位前から、大人になっても治らないアトピーの重症患者、いろんなところを回って、食事療法始めあらゆる治療をしても、何をしても治らない患者さんを診ていた。
  そんななか15年位前に私の治療法をテレビが聞きつけて、日本テレビ、TBSが何度も取材に来まして、ただでさえも忙しいのにテレビに紹介され、全国の重症難病患者さんが全部うちに集まりまして大忙しになりました。
  今、厚生労働省の調査では、アトピー患者は全国で37万人いるそうです。当時、年間のうちの入院患者は3千人だったのが、全国の診療所も含めて10万人くらいの患者さんが押し寄せて、僕はめちゃめちゃ忙しかったけど、日本皮膚科学会に論文をまとめて発表したんです。そこに日本の地図をのせ、うちへ来た患者さんがどこの出身が多いか、日本地図に点を打っていった。そしたら1位から5位まで、ちょうど環境庁が1999年に大気中の窒素酸化物の濃度を測定した、その測定の1位から5位と、うちの患者さんの1位から5位がまったくいっしょだったんです。
  東京、大阪、名古屋、博多(北九州)、岡山。これ、決して人口の多い順ではない。4位の博多から北九州は、北九州工業地帯で、八幡製鉄をはじめ、日本最大の製鉄工業が乱立している工業地帯。
  いまから20年前までは筑豊炭田、三池炭田があって、そこの石炭を燃やしていたのが、20年前から石炭が採れなくなって重油を燃やしている。
  3位の名古屋と5位の岡山。これは共通した工業地帯がある。石油化学コンビナート。名古屋は西の端が四日市コンビナートで、東の端に世界最大の自動車工場、トヨタがある。岡山は水島コンビナートがある。西の端に日本鋼管という日本最大の製鉄工場がある。
  窒素酸化物の濃度と難病はきれいに比例するということの証です。
  アトピーの患者さんはだいたい乾燥肌でしょ。窒素酸化物は余計に保湿機能を奪ってアトピーを悪くする。だからアトピーの人は空気の悪いところに住んではダメ。うちの土佐清水に入院して帰るとよくなる。私の教えを守って、肉乳製品を食べないで、ちゃんとしていれば治る。
  しかし、200人にひとりは、なんぼ守ってもだめ。これはみんな、土佐清水に就職しかない。いま、40何人いる。もと薬剤師、看護婦、お医者さん、事務員。土佐清水は足摺岬の最先端でしょ?国立公園で工場を作ることができない。自動車もほとんど来ない。通り抜けることができないから、足摺岬に用がない自動車は来ない。私は、ここは北半球でいちばん空気がきれいなところだと思っている。ここに来ればアトピーがみんなよくなる。

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