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NO.17

 

生活習慣病を防ぐ ~高脂血症~

'01. 5月号

 

高脂血症とは?
  血液中には、コレステロール・中性脂肪・リン脂質・遊離脂肪酸の4つの脂質があります。
これらにはそれぞれの役目がありますが、必要以上に血液中に存在すると様々な害を起こします。
この4つの脂質のうち1つでも、正常値より高い状態を高脂血症といいます。
現代では特に、動脈硬化を招くコレステロールと中性脂肪の増加が問題となっています。
  なぜ高脂血症が起こるのかというと、高カロリー高脂肪の食事に偏っていることや運動不足・遺伝など、
また肥満を合併していることが多く糖尿病やネフローゼ、
甲状腺機能低下などで脂肪の合成が活発になると、高脂血症は起こります。

 
コレステロールについて
  コレステロールは脂質の一種で、体内に100~150gはど存在します。
脂肪膜を構成する成分であり、またホルモンの原料となる大切な栄養素です。
よく善玉コレステロール(HDL)・悪玉コレステロール(LDL)といいますが
善玉コレステロールは動脈から余分なコレステロールを運び去るの対し、
悪玉コレステロールは、沈着させてしまいます。
  コレステロールは、肉や魚などの動物性食品に含まれています。
魚や植物油に含まれるHDLには、血中コレステロールを低下させる働きがあります。
血中コレステロールを気にしている人で、
コレステロールが多く含まれている食品を避けている傾向があるようですが、実際は食品で摂取するよりも、
血中コレステロールの約2/3は肝臓で合成されます。
コレステロール値の高い食品を制限するだけでなく、
体内でコレステロール合成の原因となる肉の脂質や甘いものを控えた方が効果的です。
 

 コレステロールを多く含む食品

一回の使用量 含有量
  肉    
 レバー 50g 185㎎
 豚レバー 50g 125㎎
 牛レバー 50g 120㎎
 鶏手羽肉 80g 88㎎
 鶏もも         (皮付) 80g

76㎎

 鶏むね        (皮付) 80g 64㎎
 豚肩ロース  (脂身付) 80g 52㎎
 豚ばら        (脂身付) 80g 48㎎
 豚ヒレ 80g 48㎎
 牛肩ロース  (脂身付) 80g 55㎎
 牛サーロイン(脂身付) 80g 50㎎
 牛ばら         (脂身付) 80g 55㎎
  魚・貝    
 いか 50 150㎎
 すじこ 30 153㎎
 わかさぎ 50 95㎎
 うなぎ          (かば焼き) 100 240㎎
 ししゃも 30 102㎎
 たらこ 40 136㎎
 たい 100 85㎎
 車えび 40

76㎎

 すずき 100 75
 さざえ 30 51㎎
  卵・牛乳・乳製品    
 鶏卵 60g 244㎎
 うずら卵 30g 141㎎
 牛乳 210 23
 プロセスチーズ 20g 16㎎
 バター 14g 29㎎
  菓子    
 カステラ 50g 95㎎
 ケーキ・ドーナツ 50 55
 かわらせんべい 20g

22㎎

・コレステロールが多いとされる食品の内、イカやエビ等にはタウリンというコレステロールを減らす成分を含みます。
・健康な人なら、卵を 1日に1~2個食べても急激に血中コレステロール値が上がるということはありません。
・高脂血症の人は、1日の合計が300㎎以下になるようにしましょう。

 
高脂血症と食事
①低エネルギー食にしましょう
肥満体型の人は減食することにより血中コレステロール値は低下します。余分なエネルギーが多いと肝臓で中性脂肪へ合成されます。摂取エネルギーの制限は、コレステロール・中性脂肪へ合成さえます。摂取エネルギーの制限は、コレステロール・中性脂肪の合成を抑えるためには第一です。
 
②甘いものを控えましょう
糖質の多く含まれる食品は、体内で中性脂肪の合成を促します。糖質・菓子類などの甘いものは控えましょう。

③植物繊維をたっぷり摂取しましょう
海草に含まれるアルギン酸や、果物に含まれるペクチンなどの水溶性の食物繊維には、血中コレステロール値を低下させる働きがあります。食物繊維の多い食品は積極的に増やしましょう。

④アルコールは避けましょう
アルコールは過剰に摂取すると、肝臓で分解しきれずに中性脂肪の合成が盛んになります。お酒をたくさん飲む人は、それを控えると中性脂肪を下げることもできます。

 

 

栄養士    高橋 広海             

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