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◆市販薬のかぜ薬で認知症

 
   ここ数年、大手出版社が発行する週刊誌に「抗がん剤治療の是非」や「薬の副作用」に始まり、医療への不信、薬への不信、食品への不信などの特集記事が組まれることが多くなっています。なかには、食べてはいけない日常食品のリストを実名スクープした週刊新潮と、本当に食べてはいけないのかと銘打って週刊新潮の記事に反論した週刊文春が数週間にわたって反論合戦を繰り広げて話題になりました。これらはすべて、高齢化の波にあって誰もが健康で長生きするための情報を求めている証といえるのでしょう。
   そんななか、気になった情報をいくつかピックアップしてみました。
   ひとつは、週刊現代と週刊ポストが同時期に掲載した市販薬に記事です。週刊現代は市販のかぜ薬で認知症になる≠ニいうタイトルで、市販のかぜ薬や胃腸薬、鼻炎薬などの抗コリン作用を持つ薬が認知症の発症と関係していることが、イギリスの論文で発表された報じています。研究では抗うち剤などで症状が出たということですが、かぜ薬や胃腸薬を始めとする市販薬にも抗コリン作用を持つものがあふれていることから、医師らもこれらの薬を安易に常用することの危険性を認識しておく必要があると記してありました。
   片や週刊ポストは知らずに飲んでいる市販薬、命にかかわる副作用≠ニ題し、やはり同様のイギリスの論文より、市販薬による認知機能低下の副作用を記事にしています。加えて、誰もが知っている市販薬のかぜ薬で間質性肺炎の副作用や、胃腸薬で肝機能障害などの副作用があったという記事も載っています。普通、軽いかぜだから市販薬でも飲んでおこう、かぜ気味だから早めに市販薬、と思って飲み続けて、それが肺炎になるなんて考えもしません。肺炎と、かぜは症状が非常ににているので、つい市販薬で大丈夫と思ってしまいます。ところが市販薬にも常用すれば副作用やアレルギー症状が出るという恐ろしさ。かぜを治すために飲んだら肺炎になったなんて、シャレにならない。簡単に買える市販薬だからこそ気をつけたいということです。
 
※抗コリン作用…副交感神経を亢進させるアセチルコリンの作用を抑えることで、消化管の運動亢進に伴う痛みや痙攣、下痢などを抑える作用

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