高血圧の診断には慎重さが必要!

 

  医師が、血圧降下剤を投与する際、「患者が一生飲み続ける」だけに、慎重な過剰観察の上で、投薬の種類や投与量を決定しているはずです。あなたの投薬は、以下のような慎重な過剰観察が行われた上での投与だったのでしょうか?

 

高血圧発見から投薬まで @ : 川人 明・東京都柳原病院医師

 
■ 最低血圧(拡張期血圧)を基準に診断する

120oHg以上
110〜120oHg
100〜110oHg
100oHg未満




即日通常の検査を行い、検査結果を診て、投薬開始について判断
通常検査は即日行い、2週間以内にさらに2回測定した後に判断
2週間以内に再検査を行い、4〜6週間経過観察(検査)後に判断
4週間以内に再検査をし、6週間から3ヵ月観察した後に判断
この際、最高血圧(収縮期血圧)は参考所見とし、最高血圧がおよそ200oHg以上を最低血圧の110〜120oHgと、180oHg以上を100〜110oHgと同様に考えます。ただし、検査で心臓・腎臓・眼底などに中等度以上の障害が認められたときは直ちに投薬治療を開始します。
 

■ 初診時にすぐ投薬を開始することの弊害
 @ 一時的に血圧が上昇した正常血圧者を治療してしまうこと
 A 薬は血圧が高いときだけ飲めばよい、という誤解を患者に与えること

 

 
高血圧発見から投薬まで A      :      WHOの投薬基準

 
  WHOでは、最低血圧(拡張期血圧)を高血圧の指標として、最低血圧90〜105oHgの患者を対象としています。WHOの高血圧の検査の目的は、患者を正確に分類し、不必要な治療をなくすことで、治療目的は、最低血圧を、90oHg未満に下げることです。
 

日を変えて二度、各3回血圧を測定し、拡張期血圧90〜105oHgを確認

                 

4週間の間に日を変えて少なくとも二度、血圧測定を繰り返す。


100oHg以上

治療(投薬)開始

100oHg未満

更に3ヶ月間観察する
(一般療法は行うが投薬は行わない)


 95oHg以上

治療(投薬)開始

95oHg未満

更に3ヶ月間観察する
(一般療法は行うが投薬は行わない)


 95oHg以上

治療(投薬)開始

95oHg未満

6ヶ月ごとに血圧測定