高血圧による臓器障害

 

  高血圧が問題視されるのは、高血圧の状態が長く続くと、動脈硬化が促進し結果的に、脳・心臓・腎臓に臓器障害を招くことです。高血圧の問題点はもう一つあります。それは、『長く飲み続ける血圧降下剤の副作用』です。

 

高血圧による健康障害は血管系障害

 
  高血圧による健康障害は、大別して以下の3項目と推定されます。
 @ 動脈硬化を高度に促進
 A 脳・心臓・腎臓に合併症
 B 血圧降下剤のよる副作用
 
@ 高血圧は動脈硬化を高度に促進
  高血圧は、高齢になると最も普通にみられるもので、血圧は年齢とともに上昇します。高血圧の問題の一つは、脳・心疾患の原因となる動脈硬化を促進することです。最高血圧が140oHg以上あるいは最低血圧が90oHg以上では、正常血圧の人に比べ、4〜5倍の速度で動脈硬化は進行します。一方、動脈硬化は高血圧に悪影響を与えます。
 
A 高血圧・動脈硬化による合併症
  以下、高血圧が進行した場合の臓器障害について、WHOの病気分類から引用してみよう。

心 臓
眼 底

腎 臓
血 管





左室肥大左心不全。しばしば狭心症心筋梗塞を認める。
網膜動脈狭窄網膜出血滲出乳頭浮腫
大脳小脳脳幹出血高血圧性脳症。しばしば頭蓋内動脈血栓を認める。
蛋白尿ないし血漿クレアチニンの軽度上昇。しばしば腎不全を認める。
しばしば解離性大動脈瘤動脈閉寒性疾患を認める。
 

B 血圧降下剤による副作用
  血圧降下剤による副作用は、その存在が議論されながらも、表面には現れません。その理由は「高血圧による脳出血などのリスク」と「血圧降下剤による副作用のリスク」を秤に掛けて、将来のダメージ(副作用)を先送りにして、現在のダメージ(脳出血など)を防ぐためと、思われます。