脳・心疾患を引き起こす動脈硬化
脳・心疾患は死に直結する!

  現在、わが国の死亡率の第2位を占めるのは脳の血管性障害(脳卒中など)であり、第3位は心臓病で、これらはいずれも動脈硬化に起因する病気です。
  脳疾患の転帰は半身不随・痴呆・死亡が多く、また心疾患での死亡の転帰をとることが多く、大変怖い病気といえます。

 

人の老化とは血管の老化(動脈硬化)のこと
老化と老人(学習研究者)から

 
■ 老化とは外見ではなく、血管の老化です
  臨床学会の立場からいえば、老化とは血管の老化であり、人は血管とともに歳をとるものといえます。つまり、白髪やハゲ・シワが多くても、血管が若ければ、その人は若いといえます。
  血管が若いということは、動脈硬化のないこと、あるいは軽いことです。したがって、血管のこのような変化がないか、あるいは軽いということは、死因の第2、3位をしめている病気を防ぎ、あるいは遠ざけることに痛ずるわけで、寿命を長くすることにもなります。
 
■ 動脈硬化の2大要因は、高血圧と血液中のコレステロール!
  動脈硬化の原因にはいろいろな説があります、コレステロールを中心とした脂肪分である粥状物質が、動脈の内壁に沈着するためであり、これを促す2大要因は高血圧と血液中の脂肪分です。
  動脈硬化のあらわれ方は、環境・食生活などに左右されますが、遺伝子因子・人種的要因もあり、個人差も少なくありません。
 
■ 糖尿病は要注意!脳の動脈硬化が促進!
  原因となる病気に糖尿病があり、適切な治療を行わないと、動脈硬化を促進させます。脳についていえば、糖尿病によって比較的細い動脈硬化が促進してしまいます
  動脈硬化によって、障害を起こしやすい臓器は、脳・心臓・腎臓です。老年病の多くは動脈硬化によるものです。

 

 
血管内腔が狭小化・血管壁が脆弱化

 
■ 動脈硬化は徐々に進行、後で症状が出る
  動脈硬化は、血管壁に過酸化脂質やコレステロールが付着するものですが、高齢者に特有のものではなく、若いときから徐々に発生し、40才後半〜50才位で、次の疾患につながります。
 @ 脳卒中(脳出血や脳血栓)などの脳疾患
 A 狭心症や心筋梗塞などの心疾患
 B 脱疸(足が腐る)などの下股循環障害

 
■ 動脈硬化は進行を抑えることが必要です
  動脈硬化による症状(脳・心疾患)がおきるまでに、20〜30年以上かかりますので、治療も大切ですが、進行を抑えることが必要です。
 
■ 丈夫な血管も、活性酸素とコレステロールから作られる過酸化脂質には勝てない
  動脈は、内側から内膜・中膜・外膜の3層から構成され、極めて丈夫な構造になっています。しかし、この丈夫な血管も、活性酸素とLDLコレステロールが結合してできる過酸化脂質を中心とする脂質により、障害を受けます。
 血管の障害 @ : 内膜に沈着して、内腔を狭小化し、血流を悪くします(脳血栓・狭心症・心筋梗塞など)。
 血管の障害 A : 中膜の中に浸透して、中膜を脆くし、僅かな血圧の上昇でも血管が破れやすくなります(脳
                         出血など)。