動脈硬化が引き起こす心疾患
小舟井良夫・榊原記念病院長著:「成人病のまえぶれ」(日本放送出版協会)から

 

  ここでは、「動脈硬化が引き起こす心疾患」と「心疾患のまえぶれ症状」について簡単に整理します。
 

 

動脈硬化による狭心症

 

 
  心臓の栄養血管である冠状動脈が動脈硬化によって、狭小化した、心筋の一時的な虚血状態。痛みは、胸全体から背中・左肩・腕など、広い範囲に及ぶ。ときに、顎・喉・歯に及ぶこともある。痛みの持続時間は、5〜10分程度。
  心臓の冠状動脈は、壁が厚くて丈夫なため、胸のように破れて出血はしません。


 

 
 
 

動脈閉塞による心筋梗塞

 

 
  動脈硬化により冠状動脈が閉塞し、血流は途絶し、心筋は壊死します。痛みは、胸全体(or胸の中央)が締付けられるような激しい痛みが特徴です。痛みの持続は10分以上で、患者は痛みのため、不安感絶望感を訴えます。
  極めて怖い疾患で、発症者の約40%が死亡、その約半数が発作後1時間以内に死亡します。


 

 
 
 

心疾患の前ぶれ症状

 

 
  心疾患では、「狭心症は、いつ心筋梗塞が起きてもおかしくない」というサインがあります。
  狭心症は、冠状動脈が動脈硬化などで狭くなり、心臓が酸素不足で苦しんでいる状態です。では、狭心症になる前の動脈硬化がやや進んだ状態では、どんな前ぶれ症状があるのでしょうか?

 

心疾患の前ぶれ症状

 @慢性的な肩こり(左側)が続く
 A肝臓(腹部右側)辺りが痛む
 B急に寒い所へ出ると、胸が痛む
 C動きが辛い…階段の昇降や素早く動くことが、い 
     つもよりつらい
 D食後や飲酒後に、胸やけや胃痛に似た痛みが
※要するに、いつもと違う、痛みや息苦しさ・動悸・胸焼けなどの異常を感じたら、すぐ医師の診察を受けましょう。