92歳、三石 巌の「どうぞ、お先に」
活性酸素による癌の発生と予防
三石 巌・慶応大学津田塾大学元教授:産経新聞(94‐07‐15・07‐22・09‐30・10‐07)から

 

電子ドロボー(活性酸素)にやられ、がんに

 
■ 電子ドロボーの活性酸素を知らないとは!
  (前略)活性酸素を知っているかどうか、きいてみるんだな。もしそれを知らないっていったら、健康も栄養もめちゃくちゃだね
  (中略)これをまぬけというならば、電子ドロボー(活性酸素)を知らないのもまぬけってことになるんじゃないかな。
 
■ 電子を盗まれた遺伝子の細胞が癌になる
  (中略)電子を盗まれて一番ひどい目にあうのがDNAだ。遺伝子ってことだ。(中略)DNAが電子ドロボー(活性酸素)にやられれば、がんはおきないってことがわかっているからだ。

  ぜひ覚えておいてもらわなければいけないことが一つある。それは、癌が見つかるのは、最初の癌細胞ができてから平均19年もたっているってことだ。
 
■ がんも脳卒中も心不全も、活性酸素がら
  (中略)ビタミンの仲良しは、AとかB2とか、CとかEとか、スカベンジャー(老化などの元凶とされる活性酸素を始末する物質の総称:体外摂取ではSOD様作用食品のこと)がいろいろある。
  がんも脳卒中も心不全も、みんな活性酸素から生まれる。ボクはそういういやな奴らをふりっきって生きてきたわけだ。

 

 
活性酸素を除くスカベンジャー(SOD)は
若いうちは自前で間に合うが・・・

 
■ 癌か、癌ではないかの見分けがいいかげん
  (前略)近藤 誠という癌専門医の本によると、癌か、癌ではないかの見分けがいいかげんだから、癌でもないものを切ることがめずらしくない。日本ほど手術の好きな国はない。
 
■ 活性酸素が毎日何千個も癌細胞を作る
  (中略)毎日毎日、癌細胞は何千個も生まれているって話がある。活性酸素が、エネルギーづくりでも発生、ストレス、喜怒哀楽、農薬や添加物の解毒、細菌やウイルスの感染、中性洗剤、紫外線やX線・放射線などでも発生する。

  ひっきりなしに出てくる活性酸素は色々な悪さをする。そしてDNAを痛められる細胞が1日に数千個ということだ
 
■ 40を過ぎたら、活性酸素に要注意!
  (中略)もともと、若いうちは自前のスカベンジャー(活性酸素を取り除く酵素)でだいたい間に合う。40の坂を過ぎたら気をつけなければだめだ

 

 
活性酸素を出すのが発癌物質

 
  (前略)発癌物質とは活性酸素をだすもののことなんだ。医者の薬でも、AF2(豆腐の防腐剤)でも、トリプトファン(おこげの発癌物質)でも排ガスのベンツピレンでも、体に入れば解毒される。
  解毒のプロセスで活性酸素が出てくる。解毒といったって、毒をけすんじゃなくて、なかに毒をつくるやつがあるんだな。これが発癌物質ってことさ。そういうわけだから、学術用語じゃ解毒なんていわずに「薬物代謝」っていうことになっている。薬物代謝のプロセスのなかで、活性酸素をつくるもにが発癌物質だ

 

 
活性酸素より恐ろしい≠フが抗癌剤

 
  (前略)だれだって薬の副作用を気にしている。それは、癌をはじめとする成人病のもとになる活性酸素だった。
  医者先生だって、副作用を承知のうえで薬を出す。友人がある離島の診療所を、受け持たされた。彼が栄養療法を取り入れたせいで、薬の売り上げが前任者の10分の1に落ちこんだ。すると、県からおしかりうけた。
  (中略)薬の副作用は、解毒からくる活性酸素だけじゃすまないってことがのみこめたかな。活性酸素のほうは打つ手があるから簡単だが、もう一つのやつが嫌だよ。
  実は、副作用の一番すごいのは抗癌剤だ。それと免疫抑制剤だ。この二つは、抜群の発癌物質として有名なシロモノなんだ。(後略)