ウーロン茶に腎臓改善効果が!
ウーロン茶の成分のポリフェノールがSODの機能を高める
陳 玲・中国福建省中医薬研究院教授:毎日新聞(96-07-23)から

 

  中国料理に付き物のウーロン(烏龍)茶。最近は冷蔵庫の定番になり、ペットボトルや缶入りを水代わりに飲む人も多い。
  それでは、ウーロン茶は人体とどのようなかかわりを持つか?中国福建省中医薬研究院の陳 玲教授は、このほど東京都内で開かれたフォーラムで、腎臓やひ臓が貧弱な人がウーロン茶を継続飲用すると、症状改善が見られたいう臨床試験の結果を発表した。
  ウーロン茶はもちろんお茶の一つ。緑茶が不発酵茶、紅茶が発酵茶なのに対してウーロン茶は半発酵茶で、緑茶や紅茶に比べてポリフェノールを最も含む。
 


 

活性酸素を退治するポリフェに―ル

 
  ポリフェノールは、SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)と言われる酵素の働きを高める。このSODこそ、シミ、シワなどの皮膚老化や動脈硬化、糖尿病などの成人病に関係すると言われている活性酸素を消去する効果がある
 
■ 活性酸素の発生は、年齢とともに増える
  活性酸素は、紫外線ストレス食品添加物喫煙過剰な運動などが作り出すとされ、年齢とともに増える。活性酸素退治にお大きな役割を果たすのがポリフェノールなのだ。

 

 
ウ ー ロ ン 茶 の 臨 床 試 験

 
     対     照     
@腎臓系虚弱(腰や膝が重なったり、顔色が白くめまい、耳鳴りがする人)
Aひ臓系虚弱(腹が張り、脹が鳴ったり、消化が悪く食欲不振の人)
※対照人数:116人(男56人、女60人)の成人について臨床試験を実施した。
 
     方     法     
  1日2回、ウーロン茶2パックを煎じたものを3ヵ月間、自宅で飲用する。そして、飲用前後のSOD活性の変化と漢方医学的所見の変化を見た。
 
 理学検査結果 
  1ユニット当たりのSOD活性(採血血清の分離などで推定)の変化は、以下のように増加した。
開始前:41.9_グラム
飲用後:44.2_グラム
※1ユニット:活性酸素を半分にする能力を意味します。
 
 症候改善結果 
@腎臓系虚弱:89%に症状の改善が見られた
Aひ臓系虚弱:92%に効果があり、めまいや泥の様な大便などの症状が改善
 
    考      察    
  陳教授は、「ウーロン茶を習慣的に飲用することで、体内のSODの働きが高まり活性酸素が消去され、過酸化脂質の生成も抑制されます。皮膚の老化を防ぐことも確かめられました」と報告している。

 

 

  缶入り、紙パック入り、ペットボトル入りなどさまざまな形で生産されているウーロン茶飲料。社団法人全国清涼飲料工業会の調査によると、国内のウーロン茶飲料の生産量は1991年96万`g、92年117万`g、93年120万`g、94年129万8000`g、95年121万3000`gと、93年以降毎年120万`gを越えており、すっかり定着した感がある。