気管支喘息やアレルギー性鼻炎の薬で副作用
薬の副作用に、医師の不注意が加わって発症
厚生省中央薬事審議会副作用調査会:朝日新聞(95-03-01)から

 

 
● 医師の不注意で5人が副作用を起こす!
  厚生省が副作用の注意を再三にわたって促していたにもかかわらず、医師の不注意で5人の患者が副作用をおこしていたことがわかり、同省は28日、改めて医薬品副作用情報で注意を喚起した。
  この薬は、気管支喘息やアレルギー性鼻炎に効果のあるテルフェナジン(商品名:トリルダン)で、1990年1月に承認されている。
 
● 不整脈や時に心停止を起こすことがある
  肝臓障害や心疾患のある患者に投与すると、皿中濃度が上昇して不整脈などの症状をおこし、ときには心停止することもある。
 
● 投与してはいけない患者に投与したための弊害
  91年3月、外国で25例の副作用が起きたため、医薬品副作用情報で注意を喚起した。さらに、93年1月までの間に、国内で2例の副作用が起きたため、医薬品副作用情報で再度、情報を流すとともに、肝機能障害のある患者などへの投与禁忌を添付文書に記載するよう指示した。しかし、テルフェナジン投与された末期の肝硬変の女性患者が投与から5ヵ月後の94年10月に意識がなくなる発作が起き、一時回復したものの血圧が降下して死亡した。
  テルフェナジンと死亡との因果関係は不明だが、少なくとも添付文書では、投与してはいけない患者に含まれた。