<8> 水 の 汚 染 と 活 性 酸 素
飲料水の汚染で活性酸素の危険性がますます増加

 

飲料水の消毒用の塩素化合物が発癌物質トリハロメタンに
丹羽靭負・土佐清水病院長著:「激増   活性酸素が死を招く」(日本テレビ出版刊)から

 
  家庭汚染や工場排水の汚濁で、水質の汚染が進行しています。飲料水の消毒用の塩素化合物・カルキは、投入後、化学反応をへて発癌物質トリハロメタンになります
 
■ トリハロメタンによる活性酸素が発癌へ
  塩素化合物・カルキが減少では細菌の消毒が不完全となり、投入過多では発癌物質のトリハロメタンが増えます。水道水の塩素化合物は発癌物質ですが、これは活性酸素によるものです
消毒を、おもに消毒薬に依存することが問題となります。

 

 
発癌物質トリハロメタンのずさんな管理と秘密主義
朝日新聞(93-10-06)から

 
  「うちの水道から発癌性物質のトリハロメタンが0.115も出た?聞いたことがない・・・・・」。(埼玉県東部の岩槻市にある南下新井浄水場)案内してくれた浄水係長と現場の主任は、しばらく言葉がなかった。

 
■ トリハロメタン基準以上!県に報告せず
  91年夏、水道の定期検査を委託している県衛生研究所から市の水道局に、「民家の蛇口がら、1g中にトリハロメタンが0.115mg検出」というデータが届いた。
  (これに対して市水道部幹部は)「このまま報告すれば無用な心配を招く」と考え、浄水場に具体的な数値を知らせずに「あまりおっぴらにしないで、塩素の注入量を減らすように」と指示、県にも報告しなかった。
  水道部の幹部は「決して隠そうとしたんじゃないが・・・。いま思えば、ちゃんと現場に報告し、対策を協議すべきだった」と話す。
 

■ 浄水場名はかんべん・・・異常値を報告せず!
  85年に0.140mg、90年に0.116rが検出された北海道のある浄水場の場長は取材に対し、「浄水場の名前はかんべんしてください」と繰り返した。「議会のも、0.1を超えたとは伝えていないんです。水源にしている川の上流に生活排水が入り込み、総トリハロメタアンの値がどうしても高くなるという。夏場になると、必ず0.1を超える値が検出されてしまうんです」
 
■ ミネラルウォーターにも発癌物質が出た!
  生協の連合体ユーコープ事業連合の商品検査センター(横浜市)は、昨年市販のミネラルウォータの水質を検査した。国内産34品目のうち、7種類から、出るはずのない発癌物質・トリハロメタンが最高0.0088r検出された。大阪府のメーカーは「水の運搬に使うタンクローリーを塩素や水道水で洗っている。これが残っていたと考えられる」と話している。

 

 
日本の飲料水基準は国際的に甘い!
コイがばたばた死ぬ濃度でも基準合格!
毎日新聞(91-10-20)から

 

  「現在の水道水の水質基準では飲み水の安全は確保できない。もっと規制項目を増やし、基準値を厳しくしてほしい」―日本消費者連盟
  水道法には、例えばシアンは非検出、マンガンは0.3ppm以下など、26項目を規制。一方、米国では83物質世界保健機関(WHO)では106の物質に基準値を設けている。対して、厚生省は「水道水のコストが上がる。規制項目は、WHOなど世界情勢に合わせて決めたい」と話す。

 
■ 水道水が赤濁した状態でも日本では合格
  「きれいな水と命を守る東日本連絡会」事務局の笠井洋子次長は「日本のマンガンの基準値0.3ppmは、水道水が赤く濁った状態でも飲めるという基準です。米国では6倍厳しい0.05ppmです」と話す。
 
■ ゴルフ場農薬も基準が緩い。コイが死ぬ!
  ゴルフ場による農薬汚染を調べている大阪市の環境監視検死所の中南元・所長は、殺菌剤・キャプタンは0.25ppmでコイの半分が死にます。水道も基準値はそれよりも甘い0.3ppmです。これはコイがばたばたと死ぬ濃度の水でも、飲み水として規制策が取られないと言う。

  また、除草剤・アシュラムは日本の暫定基準では、10万人に16人が癌になる、WHOの基準に比べ10倍から数10倍、基準が甘いという。