<15> 血流の停止・再灌流と活性酸素
脳血栓や脳梗塞・外科手術によっても活性酸素は発生する!

 

活性酸素は  

@過酸化脂質を生成
A血流再灌流時にも悪影響

丹羽靭負・土佐清水病院長著:「激増   活性酸素が死を招く」(日本テレビ出版刊)から

 

 活性酸素の悪行@
■ 血管を詰まらせる過酸化脂質を生成する
  活性酸素とLDLコレステロールが反応してできる過酸化脂質が主役で、これにコレステロール、中性脂肪などの脂質が伴われ、脳や心臓の血管(動脈)の内壁に付着して、血管内の血流が流れにくくなり、血管が詰まって血栓や梗塞を起こします。

 活性酸素の悪行A
■ 再灌流の時に大量の活性酸素を発生する
  活性酸素が大量発生するのは、血栓や梗塞での、再灌流(再び流れる)時です。血流停止時は、問題はないのですが、再灌流時に大量の活性酸素が発生するということが報告されたのです。
  この血流再灌流時に発生する大量の活性酸素は、末端の脳細胞や心筋に栄養補給が充分でないところへ、再灌流で大量に発生した活性酸素が、血管や心臓の組織をさらに痛めつけてしまうためです。

 

 

外科手術・スポーツでも再灌流・大量の活性酸素が発生
加藤邦彦・東京大学院理学系助手:月刊わかさ(95-04)から

 

 外 科 手 術
  虚血・再還流にともなって生じる活性酸素は、外科手術でも大きな問題になっています。例えば、手術のさいには、一時的に局部の血流を止め、終了後には血流が元どおりになりますが、このときに活性酸素が発生して、注意をしないと、手術が成功したにもかかわらず、新たな障害を引き起こしてしまうからです。

 ス ポ ー ツ
  虚血・再還流は、スポーツでも起こります。走る、投げる、飛ぶといった激しい動作は、筋肉に血流を集中させ、消化器や生殖器などの臓器に血液が行かなくなる虚血状態を生み出し、スポーツを終えた後に、その血液が臓器に再還流します。これは、大量の活性酸素を発生させ、臓器などに障害をもたらす恐れがあります。