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 レポート 001


難病が進化している!!
多発性硬化症  潰瘍性大腸炎  クローン氏病
 
   通称「MS」、Multiple(多発する)Sclerosis(硬化)の頭文字をとった「多発性硬化症」は、脳と脊髄の病気。脳と脊髄の神経線維は、ミエリンという脂肪質のカバーで覆われていますが、MSはそのミエリンのありこちを自分で壊してしまうことによって起きる病気です。ミエリンが壊されると、神経の情報伝達がうまくできなくなり、視力、運動、感覚などに様々な障害症状が出てきます。
   欧米には多数の患者がいますが、最近、日本国内でも発症が増え、およそ一万人の患者がいるといわれています。しかし、発症の詳しい理由や、原因などはいまだに解明されていないのが現状です。
   「潰瘍性大腸炎」は、大腸の粘膜(もっとも内側の層)にびらんや潰瘍ができ、下痢や粘血便(血液や粘液、ウミなどが混じった便)が起こる病気です。これまでは、根本治療のない難病で、一度かかると一生治らない病気と考えられてきました。さらに、大腸だけでなくその他の消化器官の粘膜に炎症が起こり、潰瘍性大腸炎よりも症状が重いといわれているのが「クローン氏病」です。
   これらの病気がなぜ起こるか、その原因はまだよく分かっていません。腸内に棲む細菌のバランスがくずれたことが、大腸の発症や症状の進行に関わっているのではないかという「細菌説」、リゾチームという白血球が出す酵素が原因ではないかという「粘膜溶解酵素説」、その他「ミルクアレルギー説」、「心理的要因説」などの様々な説が唱えられましたが、いずれも否定されています。
   現在、有力視されているのが人間の免疫機構(体を外敵から守ろうとする体内の防御システム)が、体の一部である大腸粘膜を敵と認識して攻撃し、破壊しているという「免疫異常説」です。炎症が起こっている腸管粘膜で免疫の仕組みが乱れていることは確かなのですが、そもそもなぜ乱れるのかは、免疫異常説でも説明できないのです。
   この病気も欧米人に多いことから、食生活が関係している説や、ストレスが大きく関与している説など様々ですが、結局ははっきりした原因は分かっていないのが現状です。
   これらの難病は、戦前の日本人にはほとんど症例がないくらい少ない病気でした。ところが、戦後30年以降からコンスタントに倍増し続けています。(表1参照)
 


 
   そのことについて丹羽博士は、最近特に危惧し警鐘を鳴らしたい事例があると言います。
―――これらの難病が、最近特に増えているというのは?
「戦後、日本人が肉とか乳製品を食べるようになり、環境汚染、異常気象、食品の安全が危険にさらされていることなど、いくつもの現代的な要素が重なっているんですね」
 
―――というと、昔はほとんど日本人にはなかったんですか?
「僕らが昔学生のころ、教科書では習ったけど、症例を診たことはなかったですね。今、日本人にはなかった病気が出てきているんです。それが多発性硬化症や潰瘍性大腸炎、クローン氏病。昔は日本になかった難病、奇病が、環境汚染がひどくなってから、そして肉、乳製品を食べるようになってからどんどん出てきた。そもそも日本人は、昭和20年くらいまではほとんど肉、乳製品を食べなかったのね。ところが戦後、アメリカナイズされた食生活が入ってきて、戦後20、30年してから、これらの難病がドンドン出てきた」
 
―――先生のところにそれらの症状の患者さんがくるようになったのは?
「昭和40年代中頃からですね。みんな、パルス療法やステロイドでの化学療法で治らなかった人たちです。僕はその人たちに化学薬品を使わず、SODを中心にした天然の生薬を処方して、だいたい10人中 8人は治してきました」
 
―――なるほど。なのに気になるというのは?
「ところが、それからさらに40年近くたった今、これらの症状の度合いが桁違いに悪くなってきたんです。つまり、欧米化された食生活、環境汚染などの程度がどんどん進み、戦後60年というヒストリーが積み重ねられたわけです。そうなると、ヒストリー分の症状の悪化、増加が出てくるわけです。昭和40年代の頃は、10人中 8人は治してたのに、今は10人中4、5人になっているんです。肉を食べているヒストリーが長いし、アメリカやオーストラリア産牛肉が安く手に入るようになったから、それに比例するように潰瘍性大腸炎などの症状も重なり、治りにくくなっているんです。これでも、他の化学療法しか知らない病院よりは治りがいいほうなんです」
 
―――それは怖いですね。
「さらに、悪性リンパ腫などの症状も最近おかしい。この病気は、ガンの中でも僕が最も得意とするもので、10人中 8人は治してきています。残りふたりのうちひとりは残念ながら助からないんですが、もうひとりは副作用の少ない抗がん剤とSODなどの天然の生薬で助けてきました。ところが最近、完治した、と思っていた患者さんに再発が出始めたんです」
 
―――そうしてですか?
「病気がしぶとくなってきたんです。その分治りが悪い。これも多発性硬化症などの難病と同じなんです。とはいっても、やはり他の病院に比べると、数段効果は高いのですが、この 1、2ヶ月、特に感じていることなんで、なんとかならんかと最近そのことで頭の中がいっぱいです」
 
―――原因は色々だと思うのですが、欧米に患者さんが多いということは、まず食生活なのかなと思うんです。
「多発性硬化症はアメリカのフロリダにものすごく多かった病気で、アメリカには100万人近くの患者がいます。日本では8万人くらい。これが30年前の日本だとたったの千人しかいなかったんですね。そもそも日本を含めたアジアというのは、高温多湿なところなんです。少し動くと汗をかく。ちょっとの運動で代謝がいいわけです。ことろが乾燥した気候の欧米は体力を消耗するんです。だから、日本人には必要のない乳製品が欧米では体力維持のために必要なんです。そもそも気候も体の作りも違うわけです。なのに同じ食生活ではおかしくなりますよね。僕は先日、スコットランドに行ってきたんです。あそこは荒涼とした土地で、野菜がない。牛や馬ばかり。そうしたらやっぱり多発性硬化症の多いこと多いこと。たった10日間の滞在で、身近に 4、5人もいたんです。日本で普通に10日間生活していて多発性硬化症の患者さんにそんなに出会いますか?まずありえない。欧米人の環境と体をもってしても、それだけ肉に頼った生活習慣が悪影響を及ぼしている」
 
―――先生、でもモンゴルの人たちも野菜不足だと聞きますが。
「モンゴルは牛や羊がいい。あそこの牛はホルモン剤なんか打ってないでしょ?先進国の牛はみんなホルモン剤を打ってる。大きく育てるためのホルモン剤、3ℓしか取れない牛乳を30ℓ取れるようにホルモン剤を打つ。とにかくなんでもかんでもホルモン剤と抗生剤漬け。そんな肉や乳製品を食べたら、そりゃ病気にもなりますよ」
 
―――ですね。どはどうすれば予防ができるのでしょうか。
「住んでいる環境というのはなかなか変えられないで仕方がないけど、食べ物は気をつけることができます。やっぱり日本人は魚介類、穀物、豆類を中心にすることでしょう。原点に戻ることでしょう。そして、環境汚染で増加する活性酸素は、SOD様作用食品で解読することですね」
 
   食の安全性についての本が軒並みベストセラーになり、国民の食への意識、危機感が高まりつつある中での丹羽先生のお話。私たちはまだ間に合う。日本の良さをもう一度見直したい。

(2006年 8月末日インタビュー)

 
※「多発性硬化症」「潰瘍性大腸炎」「クローン氏病」は伝染性のものではありません。また、すぐに生死に関わるというものでもありません。これらの難病を発症しても普通に社会人として生活している人はたくさんいらっしゃいます。治療の研究も、欧米を始め盛んに行われています。

 


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