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 レポート 016


薬害肝炎
身近な生活に潜む危険 今後、要注意の肝炎
 
   1964年、日本において初めて、フェブリノゲン製剤の製造・販売が、1972年には、第 9因子製剤の製造・販売が開始されました。これらの血液製剤は止血剤として使用され、とりわけフェブリノゲン製剤は、出産時の出血のときに、止血目的で大量に使用されました。
  しかし、これらの血液製剤にはC型肝炎ウイルスが混入していました。その結果、多くの母親あるいは手術を受けた方々が、C型肝炎に感染しました。
   血液製剤とは、血液を原料として作られる薬で、その成分に応じて、多くの種類の血液製剤があります。
   薬害肝炎訴訟で問題としている血液製剤は、フェブリノゲン製剤(商品名:フェブリノゲン−ミドリ、フェブリノゲンHTなど)および第 9因子製剤(商品名:PPSB・クリスマシンなど)と呼ばれるものです。
   フェブリノゲン・第 9因子とは、ヒトの血液に含まれている蛋白質で、血液を凝固させる作用に関係しています。フェブリノゲン製剤、第 9因子製剤とは、1千人から 2万人分のヒトの血液(血漿)をプールして、フェブリノゲン、第 9因子を集めて作られた製剤です。
   ヒトの血液には、既知あるいは未知のウイルスが含まれています。したがって、血液製剤にはC型肝炎ウイルスが混入することは避けられないのです。血液製剤を安全にするためには、混入したC型肝炎ウイルスの感染力を奪わなければなりません。ところが、フェブリノゲン製剤についていえば、ほぼ完全に感染力を奪う処理は1994年まで導入できませんでした。血液製剤が肝炎ウイルスに汚染され、感染の危険性が高いことは1964年当時すでに明らかだったのですから、そもそも使用すること自体に無理があったと言えます。結果1994年以降に製造さらたフィブリノゲン製剤を投与された方は、C型肝炎に感染した可能性が極めて高いのです。(参考資料:薬害肝炎訴訟全国弁護団HP)
   感染者の数は、自覚症状のない人も含め、推定 200万人以上と言われいます。
   薬害肝炎訴訟の原告達は、こんな状況を認知しつつ放置していた国と製薬会社に対して強い怒りを示しています。報道等を聞いた私たちですら、強い憤りと不信感を禁じ得ません。
   そんななか、国や都はインターフェロン治療等の医療費の軽減をさっそく提示し、患者の負担を軽くする方向に向かっています。しかし、先日、朝日新聞に載っていたのは、負担額軽減に対する患者の意外な反応でした。
 
   ―――以下記事より抜粋―――
「久留米大学医学部消化器疾患患者情報講座の佐田通夫教授らが九州の患者 254人に聞いた調査では、インターフェロン治療等、薬の治療に同意しなかった理由で最も多かったのは『副作用が心配』で75%。『医療費がかかる』は31%だった」
   患者さん達のいちばんの関心が副作用だったという事実。そこにはもう薬で騙されたくないという強い意志が感じられましす。もちろn、なんでもかんでも薬はNO!という間違った知識も危険ですが、誰もがなんとなく、薬=副作用という図式を描くようになっているのです。
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   肝炎の治療薬としていちばんに出てくるインターフェロンについて丹羽先生は
「インターフェロンは抗がん剤の一種だから、当然、副作用がある。まず鬱病になる。糖尿病にもなる。あと、リウマチも多い。確かにこの薬は、10人にひとりくらいに効くものだから盛んに使い出した。最近はそれにバベリンを併用すると、今までに効かなかった人、10人中 2、3人には効くんです。ただし、リバベリンとの併用で起こる副作用は、溶血性貧血になること。つまり、血が解けていってしまう病気。赤血球が壊されて起こるんです。鼻血、歯肉からの出血に始まり、息切れ、動悸、黄疸が出て死ぬ。よく効く薬ができたと思っても、やっぱり化学薬品には副作用が出てくるんですよ」
 
   国が遅まきながら治療費の補助をしても、それが患者さん達には解決策とはとられていないのです。
「よく効くということは、副作用も強いということばと同義語。今の西洋医学は肝臓だけに効くというような一ヵ所だけに効くものなんかない。よその臓器もみんないっしょにダメにしてしまう。だから効いた薬ほど怖いと思っていてほしいです」
 
   肝炎というと、普通、ウイルス性のA型肝炎、血液等の体液から感染するB型肝炎、血液製剤などによって感染するC型肝炎などがあります。ところがこれらの感染経路ではない新たな肝炎感染源があるというのです。
「私も長いこと肝炎の患者さんはたくさん診てきています。そんななか、最近ものすごく多い感染経路があるんです。その患者さんは、健康管理はしっかりしているし、お酒もタバコも飲まない。もちろん、薬での感染もない。なのに肝炎になった。どうしてだと思う?環境汚染が原因なんだ」
 
   環境汚染といえばやはり常日頃誰もが直面している排気ガスなどの都会の空気を想像してしまうが、先生の言う汚染は違いました。
「食物。魚介類がいけない。なかでも特にシジミとあさり。これらは海の栄養と川の栄養を摂るために、川と海が合流する河口あたりで採れる貝なんです。でも、最近の河口というのは、重金属が流れてくるんだな。しかも重金属は河底に溜まる。だから、砂の中に潜る貝類はカドミウムなど体に非常に毒性の強い重金属を蓄積していることになる。蛤などは河口よりも海に近いからまだ大丈夫だけれど、あさりとシジミはいけない。特に、最近、汚染が深刻な中国のものは要注意。魚も、まだ海を泳いでいる魚はいいけど、海底にもぐる魚、ひらめやカレイもだめ。悪い物はすげて下に落ちるから、海底、川底に溜まるっていくんです。
体にいいからと言って毎日シジミ汁を飲んでいて肝炎に感染してしまった患者さんが、実際、最近、ものすごく多いんですよ。

これは完全に食事肝炎、食物肝炎。シジミやあさりは中国からの輸入が多いから要注意。最近は私のところでも、薬や注射で肝炎に感染したと言う患者さんより、こういう食物肝炎のほうが増えているんです。意外な盲点でしょ?SODを飲んでいる人は大丈夫だけど、飲んでいない人で、あさりやシジミをよく口にしている人は、一度肝臓の検査をしたもらった方がいいかもしれませんね。もしも検査で疑いが出たらうちにいらっしゃい。食物から感染した肝炎は治ります。普通の病院に行くと、2、3種類のビタミンを注射されて安静にしなさいと言われるけど、うちではビタミン剤、強肝剤など 7、8種類入れた注射をする。そうでないと肝臓は元気にならない」

 
   シジミとあさりから肝炎とは、意外でした。健康のためにと思っていることが実は逆だったということになります。食の安全性に気に配ることを改めて教えてくれました。

 


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