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 レポート 047


花粉症・アレルギー
−SODと化学薬品を柔軟に使用−
 
   いまや日本人の3人に1人、約3割以上の人が花粉症だと言われています。一昔前は花粉症という言葉さえなかったのに、どうしてこんなに増えたのでしょうか。
   その理由のひとつは、戦後、全国でいっせいに植林されたスギの木にあります。植林によって日本の山の大部分はスギの森林になってしまい、そのほとんどがここ数十年で成熟期を迎え、大量の花粉を飛ばしているのです。そのうえ、近年は外国からの安い木材が輸入され、国内のスギの木が伐採されず、全国には手入れのできていないスギが増えているのも原因のひとつです。
   しかし、スギの花粉は都会よりも山の中のほうが大量に飛んでいるはずなのに、花粉症の患者さんは都会のほうが多いのはなぜでしょう。そのメカニズムは究明されてはいませんが、車の排気ガスなど空気中の化学物質と花粉がなんらかの反応を起こし、花粉症の発症に影響しているのではないかと言われています。これらの花粉、田舎では土に吸収されますが、都会はコンクリートだらけ。一度落ちた花粉がずっと舞っている状態なのです。また、丹羽先生も、様々な難病の原因のひとつとして再三おっしゃている、食生活の欧米化やストレスの多い現代社会がアレルギーを起こしやすくしているのです。
   今回はそんな花粉症について、以前に丹羽先生にうかがった話を再現します。
   そもそも花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ、鼻水などのアレルギー症状を起こす病気で、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。そのアレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)の種類によって2つに分類されます。
   ひとつは通年性アレルギー性鼻炎。これはアレルゲンが一年中あるので、症状も一年中あります。主なアレルゲンはダニ、ハウスダスト、ゴキブリなどの昆虫、ペットの毛・フケなどです。症状は、喘息が多く、アトピー性皮膚炎などを合併することがあります。
   もうひとつは季節性アレルギー性鼻炎。これは花粉の飛ぶ季節だけに症状があります。日本では約60種類の植物により花粉症が引き起こされると報告されています。主なアレルゲンはスギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカバなどです。症状は鼻の3大症状だけでなく、目のかゆみ、充血などを伴う場合が多く、他にも喉のかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽいなどの症状が現れることがあります。さらに、シラカバ、ハンノキ、イネ科の花粉症は、ある果物や野菜を食べると口の中がかゆくなったり、腫れたりする口腔アレルギー症候群という症状にもなります。
   私たちの体は、花粉という異物(アレルゲン)がのどや鼻から侵入すると、まず体内のリンパ球がそれを受け入れるかどうかを考えます。そこで排除すると判断した場合、体はアレルゲンと反応する物質を作る仕組みを持っています。この物質を IgE抗体と呼びます。そのIgE抗体ができたあと、再び花粉が体内に入ると、鼻の粘膜にある抗体と結合します。その結果、ヒスタミンなどが分泌され、花粉をできる限り体外に放り出そうとします。その作業がくしゃみや鼻水であり、花粉を中に入れないよう防御する行為として鼻づまりになったりするのです。
 
―――花粉症の季節なのですが、診療所でもこの季節はその患者さんが多くなるのではないでしょうか?
「そうですね。ま、うちの場合は年中、大変だから、花粉症やアレルギーは軽症の部類に入る。喘息の人はアレルゲンが分からない人が多いけど、一般的に花粉症やアレルギーというのは、アトピーと違ってアレルゲンという原因がある。花粉が原因というのがほとんど」
 
―――治療法としてはどのような方法があるのでしょうか?
「あのね、花粉症はアトピーやガン、膠原病などと違って一時的なものでしょ?アトピーやガンの人は薬を服用するのに、ずっと続けなければならないから、副作用のある強い薬は常用できないけど、花粉は時期的に3ヶ月くらいのものだから、あまり辛いようならステロイドを使ってもいいんですよ。病院に行けば症状や生活に合わせて薬を処方してくれるから、それで対処したほうがいい。抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤などいろいろある。目のかゆみなども、アトピー性皮膚炎で使っているかゆみ止めで大丈夫。あれを5年も10年も常用していると出血性膀胱炎を起こすけど、花粉症にもよく効く。だから、鼻が出て、目が痒くて仕事にも支障があるというのなら、それを使うといい。ここが普通の慢性疾患と大きく治療法が違うところですね」
 
―確かに。鼻がつまって、目がかゆくて夜も眠れないという方がいらっしゃいますよね?
「そうそう。そういう人はもう化学薬品を飲んだほうがいい。うちの患者さんでSODでなんとか人工透析を逃れた人がいたんですが、花粉症になって、鼻炎がひどくて夜も眠れなくなったんです。僕が、とにかく寝不足は体にいちばんいけないから、化学薬品で鼻炎をなんとかしたほうがいい、と言ったんですが化学薬品は使いたくないと言い出して、とうとうかんじんの腎臓が悪化して人工透析になってしまった。本末転倒ですわ。人間、英和を持って生まれてきているんだから、もっと柔軟に、フレキシブルになるべきですね」
 
―――SODを飲んでいたら花粉症が治ったという患者さんの声をよく聞くのですが、それはどうしてでしょうか?
「ああ、それは僕もよく聞くねー(笑)。SODを飲むと血の循環が良くなるから、悪いリンパ球が代謝されてしまうんでしょう。リンパ球というのは新陳代謝しているものだからね。確かに、SODは効きます」

 
   ◇花粉症を軽減する予防対策◇
1.風の強い日は外出をひかえる。特に正午前後と日没後2時間はなるべく外出をひかえる。
2.帰宅後は洗顔やうがいをして、鼻をかむ。
3.外出時にはマスク、帽子、めがねカバーやゴーグルなどを着用する(マスクは、花粉を通さない目の細かいもの)
4.目の細かい生地のコートなど、花粉が付着しにくい衣類を身に付ける。家に入るときは、花粉を払ってから。
5.窓や戸をしっかり閉める。
6.外で干した布団や洗濯物には花粉がつくので、取り込む前によく払う。
7.室内をこまめに清掃する。

 


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