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−1.高血圧の基準と薬−        
−2.肺炎ワクチンは必要か−   
愛飲者からの質問 N
 
   今回の丹羽療法治療レポートは、身近なふたつのテーマをもとに丹羽先生にお話を伺ってきました。
   ひとつは生活習慣病の筆頭にあげられる高血圧のお話です。高血圧に関しては、みなさんの関心も高いですし、すでに医療機関で高血圧の薬を処方されている方も多いと思います。また、丹羽先生のインタビューでもいろいろ取り上げているテーマです。
   人は血管とともに老いるとも言いますが、それだけ血管と関わりのある血圧は大事だということでしょう。血圧は文字通り、心臓から送り出される血液の圧力のことですが、これが高くなるとどのような危険があるのでしょうか。
   血圧が高すぎる状態が続くと、脳卒中・心不全・冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)・腎不全・大動脈瘤・動脈閉塞症など循環器系の疾患が発症する可能性が非常に高いそうです。厚生労働省が平成23年に実施した「患者調査」で、「主な傷病の総患者数」内にある高血圧性疾患の男女の総数は9,067千人でした。
   その高血圧の基準値ですが、これまでは拡張期血圧が130以上で高血圧といわれていました。しかし、去年から日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が、正常値を139以内に改正しました。つまり、140以上の人を高血圧というわけです。
   ただ、これまで丹羽先生や、本で紹介した、現代医療に一石を投じている何人かの良心的な先生方は、血圧はやや高めのほうが長生きできるとか、歳をとれば血圧は高めになるのが普通とおっしゃっていました。正常値130が基準でしたから、各先生方が140から150くらいは平常圏内とおっしゃっていた数字に今、近づいたと言えます。
   そんななか、50代男性の愛飲者の方から、ご質問をいただきました。
   「若いころから血圧が高めで、両親、兄弟も高い家系です。40代のときに150前後で、医者から薬を飲むようにしつこく勧められていましたが、丹羽先生のお話を伺い、SODを飲んでいれば150くらいでも大丈夫だと過ごしておりました。ところが、去年あたりから仕事のストレスも重なり、体がだるく、不調が続いておりました。そして血圧も170台になり、時には180を越えることがあり、このまま薬を飲まなくていいものかどうか心配です。医者からはこのままでは50代で死ぬと言われました。今の薬は昔と違ってそんなに副作用はないから大丈夫とも言われています」
 
―――という質問です。さっそく丹羽先生にこの質問に対する答えをいただきました。
「拡張期血圧は、160くらいまでは自覚症状がなかったらSODだけで薬はいらない。しかし、170を越したらやっぱり飲んだほうがいいですね」
 
―――やはり高すぎるということは心臓や血管に負担がかかるということですか?
「そうですね。本人的にもかなりしんどいと思いますよ」
 
―――お薬は、血液をサラサラにする降圧剤とかなのでしょうか?
「血液をサラサラにする薬は、血栓がひどい時には必要ですが、血圧には今はほとんど使われていない。というかうちでは出しません。このような家系的に血圧の高い患者さんにはベニジピン(シルニジピン)を処方しています」
 
―――その薬はどのような薬効が?
「脳に血圧を上げる中枢があるんです。ベニジピンなどの薬はカルシウム拮抗薬と呼べれる種類で、脳の中枢に行って、血圧を上げる神経を抑える薬なんですね。眠くもならないし、副作用は比較的少ない」
 
―――なるほど、血液サラサラとはまるで原理が違うんですね。
「そういうことです。血液サラサラタイプ、抗凝固剤は危険ですよ。出血したら命が危ないこともある。血液が止まらなくなるからですね。ワーファリンというのですが、これは血圧が高いくらいでは飲んではいけない薬です。しかし、昔はこれしかなかったからみんなが飲んでいた」
 
―――怖い話ですね。結局、血圧が高いということは血管に詰りがあるということで、その詰りを除去するために血液サラサラの薬を飲んでいたわけですね?
「そう、しかし、それとは関係なしに、体質的に中枢の指示がおかしい場合は、そちらの薬を飲まないと意味がないということです」
 
―――体質的に高いというのは、遺伝ということも多いのですか?
「あります。遺伝体質という人は多いですよ」
 
―――低すぎるのも良くないといいますが?
「それは関係ないと思います。低すぎるのは大丈夫です。僕なんか高いほうが90ですよ」
 
―――低いと貧血とかにならないのですか?
「貧血と血圧はぜんぜん違うんです。貧血は血液の中の成分、赤血球、鉄分が足りていなくてなるものです。低血圧は全体の圧力が弱いこといいます。その圧力は弱くても大丈夫なんです」
 
―――高血圧で気を付けることは?
「やっぱりストレス。食事。塩辛いものがいけないですね。少なくともSODは必ず続けることを勧めます」
 
―――運動は?
「180くらいあるときはやらないほうがいいけれど、160くらいになったら適度にやったほうがいいですね」
 
    という丹羽先生のお話。血圧が170を越えるようでしたらやはりお薬は飲んだほうがいいということでした。SODとの併用は全く問題ないというかむしろ飲んだほうがいいと丹羽先生はおっしゃっていました。ぜひ参考にしてください。
 
   肺炎ワクチンでお年寄りの感染は防げる?
 
   次にいただいた質問は肺炎ワクチンに関するものです。
   「最近、テレビのCMで盛んに肺炎ワクチンを接種しましょうと言っていますが、接種したほうがいいのでしょうか。実は85歳の母のもとにも健保から接種の案内がきました。施設に入っているので、感染ということも考えないといけないのでしょうが、糖尿病と肝炎を患っていて、決して健康状態がいいとはいえません。そんな老人にワクチンを接種していいものでしょうか」
   確かに、あのCMは誰もがよく目にしていますよね。死亡原因の3位が肺炎だと聞くと、怖くなりますよね。厚生労働省の資料によると、肺炎は、肺胞性肺炎と間質性肺炎に大別され、原因別死亡率では、3位に位置しており、肺炎で死亡する人の92%は65歳以上の高齢者ということです。そういわれると肺炎ワクチンは必要なのかもしれないと思ってしまいます。さっそく丹羽先生に伺ってみました。
 
―――テレビでいま、肺炎のワクチンを接種しましょうというCMをやっていますが、これは接種したほうがいいのでしょうか?
「これは、はっきり言って、いらないと思います。確かに肺炎にかかる人は多いかもしれないけど、ほとんどは、ほかの病気で抵抗力が極端に落ちて、最後は肺炎を併発して亡くなるというものです。肺炎だけで亡くなっている人の数は、昔と何も変わっていないはずですよ。そんなにたくさんはいません。抵抗力が弱っていればワクチンを接種していても合併症の肺炎は避けられないはずです」
 
―――では、数字のマジック、極端な話、ワクチン商法のようなものですか?
「いくら年寄りでも、普通に生活して、ちゃんと食事をしていれば肺炎の抵抗力くらいありますよ。逆に言うと、免疫力が落ちていれば、老若男女、誰でも感染する可能性はあるということです。免疫力があれば肺炎などは自分で治す力を持っています。ワクチンなどはほとんど予防にならないと思います。それより、ちゃんと食事して、ちゃんと睡眠をとって、適度な運動をすることに気を付けたほうがいい。そうしていれば大抵の病気は免疫力が遠ざけてくれる。免疫力が落ちているときに肺炎のワクチンなんかしたら、逆に肺炎にかかってしまう。ワクチンとうのは少量の菌を体内に入れて抗体をつくるという仕組みなんです。トシをとって予防注射すると、体内に入れた菌に感染して本当に病気になる、よくそういうことが起きますから十分に気を付けてください。お母さんも、特病があるのならなおさら、ワクチンはぜずに、おいしものを食べて、よく眠ることです」
 
   なるほど。丹羽先生のお話によると、ワクチン接種も、健康状態と相談しなければいけないということかもしれません。
 

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