[健康な素肌づくり]

 
体が錆びれば素肌も錆びる!

 

健康な素肌づくり

基礎化粧品と抗酸化食品の応用        
体内と素肌での活性酸素の有害発生を防ぐ

 

 

活性酸素と肌の老化(肌さび)
 

私たちが生きていくために、無くてはならない大切な酸素。でも酸素には、釘を錆びつかせてボロボロにするように、物を酸化させて変質させる困った働きがあります。この酸化を起こしやすい物質は「フリーラジカル」と呼ばれ、なかでも強い攻撃力をもっているのが活性酸素です。
活性酸素は呼吸によってエネルギーをつくるときにも生みだされますが、それ以上に問題になるのが、紫外線や汚れた空気、タバコ、ストレス、電磁波、過度のスポーツ、野菜不足の食生活など、自分を取り巻く環境や生活の影響です。これらの影響を受ければ受けるほど活性酸素はどんどん体内で作られます。そしてその影響で肌の細胞がダメージを受けシミ、シワが増え、ニキビなどが治りにくくなるのです。
活性酸素の研究では世界的権威の丹羽耕三博士は、アトピー性皮膚炎などの肌のトラブルも活性酸素が原因と国内外の学会で発表しています。
 

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肌さびが肌にダメージを与える
 
肌のうるおいを守ってきめを整える皮質や、表皮の細胞と細胞をくっつけている細胞間脂質が活性酸素により、いちばん酸化されやすいところです。これらの脂質が酸化されると過酸化脂質という物質に変化します。この過酸化脂質という物質がいわゆる「肌さび」です。
過酸化脂質は表皮の細胞はもちろん、メラニン色素を生成するメラノサイトを刺激したり、肌の奥のコラーゲンにダメージを与えるほど強力です。活性酸素の影響を受けても、若い頃は、抗酸化物質やSOD(スパーオキサイド・ディスムターゼ)酵素の力が強く、強力にはね返すので、過酸化脂質はそれほどつくられません。でも、30歳を過ぎると、抗酸化力が低下し、徐々に肌さびがたまりはじめ、その影響で肌の衰えがめだつようになります。最近では、食生活の乱れや不規則な生活習慣により、10代〜20代の人でも、体の抗酸化力が弱く、活性酸素の影響を受けやすい人も増えています。
 

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こんなあなたは「肌さび」がたまっています
 
肌のくすみ⇒肌さびがたまると、細胞の新陳代謝が鈍り、肌の再生サイクルである「ターンオーバー」が乱れやすくなり、古い角質細胞が表皮にいつまでものこるので、肌がくすんで見えるようになります。
 
シミやシワが多い⇒肌さびの影響で細胞が老化すると保水力が低下し、シミの原因であるメラニン色素が沈着しやすくなるので、シミやシワが多くなります。
 
年齢より老けて見える⇒老化は避けられません。でも、同世代の人よりも老けて見えるのは、細胞が肌さびの影響を受けている証拠です。
 
肌が乾燥する⇒肌の細胞の配列が乱れ、保水力が低下して起こる肌荒れも、肌さびによる影響です。肌が乾燥するとさらに肌さびが進み、悪影響です。
 
たるみが気になる⇒肌さびがたまると肌のハリを支えるコラーゲンがダメージを受け、たるみもひどくなります。その影響で小鼻のまわりやほおの毛穴もめだつようになります。
 
ニキビが治りにくい⇒活性酸素はニキビの原因アクネ菌を退治しますが、大量発生すると、逆に炎症がひどくなりニキビが治りにくくなります。

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肌さびへの抵抗力は毎日のスキンケアと食事
 
加齢とともにたまりやすくなる肌さびの影響を受けにくくするには、酸化を防ぐスキンケアと毎日の食事で抗酸化物質をとり、体内で活性酸素を必要以上に発生させないようにすることです。体の抗酸化力は加齢とともに徐々にダウンしていきますが、肌さびがたまっていない「健康な肌」をつくり保つには、正しいスキンケアとバランスの取れた食事、規則正しい生活習慣をしていれば、抗酸化力の衰えをスローペースにすることができます。
 
SOD酵素と抗酸化食品
 
私達の体内には過剰増加した活性酸素・過酸化脂質を中和するSOD(スーパーオキサイド・ディスムターゼ)という酵素があります。個人差はありますが、SOD酵素の力は、ある年齢を境に徐々に弱まり始め40歳を過ぎると大幅ににぶってきます。この時期に健康を維持しにくくなり、肌の衰えが目立つようになるのも、その為だといわれています。この時期に活性酸素・過酸化脂質を中和する抗酸化物質いわゆるSOD様物質(SOD酵素と同様の働きをする物質)を体の外から補う必要があります。
 

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SOD様物質が体と肌の衰えをペースダウン(1)
 
ビタミンA(β-カロチン)
β-カロチンは体内で必要量だけビタミンAに変わり、残りは体内に蓄積され、活性酸素の害を防ぐ働きがあります。動物性食品のビタミンAは摂りすぎた場合に毒性をもつことがあります。
 
多く含む食品⇒濃い緑色野菜・緑黄色野菜・黄色の果物など
 
ビタミンC(アスコルビン酸)
皮質が変質してできた過酸化脂質(肌さび)や、タバコや排気ガスなどに含まれる、体に有害な物質を体外に排出するように働いてくれます。また、コラーゲンの生成を助け、皮膚の細胞を正常に保ち、メラニンの生成を抑えるなど、肌さびのダメージの回復につながります。
 
多く含む食品⇒柑橘類・緑黄色野菜・ブロッコリー・ピーマン・トマトなど
 
ビタミンE(トコフェロール)
過酸化脂質(肌さび)がつくられるのを防いだり、できてしまった過酸化脂質を分解して、細胞間脂質や細胞膜を活性酸素から守ってくれます。また、毛細血管の血行を促進したり、性ホルモンの分泌に作用するため、肌の機能を健やかに保ちます。特に体内でビタミンCの酸化を防ぐので、一緒に摂ると抗酸化作用が高まります。
 
多く含む食品⇒小麦胚芽・大豆・ゴマ・ゴマ油・ほうれん草・葉野菜

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SOD様物質が体と肌の衰えをペースダウン(2)
 
ビタミンB2(リボフラビン)
β-カロチン、ビタミンC、Eなどの抗酸化物質の働きを助けることで結果的に活性酸素を消去するのに役立ちます。特に過酸化脂質と片づける働きの手助けをします。そのため。肌や髪、爪などの健康ろ保ち、生き生きさせる作用があります。
 
多く含む食品⇒豆類・ミルク・酵母・レバー・魚・卵
 
ビタミンB4(ピリドキシン)
老化を防ぐ核酸(RNA)の正常な合成を促進します。核酸は細胞内にあり、タンパク質の合成にかかわらる重要な物質で、RNA(リボ核酸)と遺伝子情報をもつDNA(デオキシリポ核酸)があります。
 
多く含む食品⇒小麦胚芽・大豆・ビール酵母・くるみ

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SOD様物質が体と肌の衰えをペースダウン(3)
 
フラボノイド
ビタミンCが適切な機能をはたす手助けをしたり、ビタミンCの吸収にも必要。また、吸収したビタミンCの効果を高める。
 
多く含む食品⇒柑橘類
 
カテキン(タンニン)
体の中でビタミンCの酸化をふさぐため、結果的に肌の健康によいといえます。
 
多く含む食品⇒茶類
 
イソフラボン
大豆の胚芽に多く含まれ、血中コレステロールの酸化を抑えるとともに、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをし、肌荒れやニキビの炎症をやわらげ、カルシウムの流出を防ぐといわれています。
 

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ミネラルはSOD様物質のパートナー
 
ミネラルはからだの生理機能の調整役として、その重要度が指摘されています。その中でも、セレニウム(セレン)、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム、鉄などは、SOD様物質のパートナーや補佐役として活躍し、活性酸素の消去になくてはならないミネラルで、これらの補給なくしては、肌の健康を守ることはできません。
たとえば、グルタチオンペルオキシターゼという酵素はミネラルのセレニウムを持って、過酸化水素を消去したり、過酸化脂質を分解したりします。また、銅や亜鉛もSOD(スーパーオキサイド・ディスムターゼ)酵素のもとで働き、大きな役目をはたします。
銅やマンガンはビタミンCを使うのに、マグネシウムはビタミンCの代謝に欠かせない物質ですし、鉄はビタミンB類の代謝に関係する一方、皮膚の血色をよくする作用があります。
 
[多く含む食品]
セレン⇒魚介類・胚芽・レバー    銅⇒豆類・魚介類    亜鉛⇒胚芽・魚介類(特にカキ)・レバー    マンガン⇒ゴマ・無精製の穀類・ナッツ類    マグネシウム⇒穀類・豆類・昆布    鉄⇒豆類・あさり
 

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肌の張りや弾力をつくるタンパク質
 
紫外線に当たり、発生した活性酸素により肌が傷つきシミ・ソバカスができたり、肌が弾力性を失ってシワが刻まれたとき、それを修復するのがタンパク質です。
また、顔にけがをしたり、虫に刺されたとき、傷口には白血球の仲間が大量に集まり、進入してくる細菌やカビなどを撃退するために、活性酸素を出して戦います。そのとき、まわりの細胞が活性酸素の攻撃の巻き添えをうけるために、患部が炎症を起こします。戦いの後、壊された細胞を修復し、肌を元通りにするために、患部が炎症を起こします。戦いの後、壊された細胞を修復し、肌を元通りにする材料もタンパク質です。
タンパク質が必要な理由はほかにもあります。私たちの体内には酵素系の抗酸化物質、SOD・カタラーゼ・グルタチオンペルオキシターゼがあります。実はこの酵素もタンパク質でできているため、タンパク質がなければ、私たちの抗酸化力は無くなり、活性酸素に対して無防備になり、肌を守るどころか体はすぐに病気になってしまいます。
 
タンパク質は生命を維持していく為に人間や動物の食事に欠けてはならないものです。しかし、実

際に必要なのはタンパク質そのものではなく、タンパク質という建物をつくっているブロックのアミノ酸です。人間の体に必要かつ体内で合成できないものが“必須アミノ酸”です。人間はこれらを必ず食事から摂取しなくてはなりません。
植物性タンパク質と少量の動物性タンパク質が組み合わされると、それぞれ単独に食べるよりも完全なタンパク質になります。このような良質のタンパク質を摂ってこそ、美しい肌が維持されるといえます。
 
多く含む食品⇒穀類・豆類・さや豆類・魚・肉

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化粧品の添加物をチェック
 
健康な人の皮膚は、体内から分泌される油と水が混ざった皮膚膜で保護され、自然に潤っています。しかし、これには年齢や個人差があります。人間、年をとると、内分泌のバランスが崩れ、お肌の状態もいつまでも同じというわけには行きません。また、汚染物質が氾濫した現代社会では、皮膚の健康を維持しにくい環境におかれていることは確かです。
私たち、公害ガスに汚染され、1日外を歩いた後、おしぼりで顔を拭くと真っ黒になるように、昔とは比べものにならないほど肌は痛めつけられていますから、多少の基礎化粧品は必要なのかもしれません。何もつけないのは不安、でも、化学物質をあまり使いすぎるのも心配です。
化粧品のなかには、パラベン・フェノキシエタノール・ブチレングリコールなどの防腐剤や化学物質が添加されているものも多く、それらはシミやシワ、老化を引き起こす活性酸素を発生させます。肌をまもり潤いを与える目的で素肌につけるものが、化学物質のかたまりでは、何の役にたたないどころか、マイナスです。
有害な添加物を含まないことが、優良化粧品の重要なポイントです。有害な添加物は体内に吸収されると、活性酸素の大量発生となり、肌をまもるどころか、結果的に傷つけることになります。
 

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